事業計画づくりのヒントは山登りにあり!?
2016.01.05
寒さも厳しくなってきた12月。しかし…育成塾の講義は、今日も熱かったのです!
6回目となる高橋先生の講義。今回のテーマは「事業と計画づくり」。事業で結果を出すためには、目的を見据えた計画づくりが欠かせません。でも、漠然としていてよく分からないという塾生も…。そこで、高橋先生お得意のたとえ話の出番です!
「目的と目標の関係は、山登りにたとえられるの」。山登り!? 先生、それはどういうことですか!?
事業計画づくりのヒントは山登りにあり!?
「山に登るためには装備や準備が必要でしょ?」と、高橋先生は続けます。どんな装備が必要で、どれだけ準備をすればいいのか? しっかり計画を立てないと遭難してしまいます。その点は事業も同じ。事業計画をきちんと立てないと、「遭難」してしまうのです。
たとえばBtoB路線を拡大するという目的を山頂と考えると、山頂への道程はいろいろあります。まず必要なのは、収支を予測すること。売上計画、原価計画、利益計画などに考えを巡らせ、事業収支シュミレーションが必要なのです。
次はそのシュミレーションに従い、人、モノ、お金、時間などの経営資源を配分してみます。そうすると何が足りないのか、課題が見えてきませんか?
「1日で突っ走るから途中でへたばるの。山小屋で休んでいれば天候も変わるかも…」とたとえ話を交えながら、高橋先生は「PDCAをきちんと考えること」の大切さを説いていきます。
PDCAとは「PLAN(目標設定・計画づくり)」「DO(日常業務)」「CHECK(進捗管理・ギャップ認識)」「ACTION(対策検討・実施)」のこと。計画、予測を立てて実績を重ね、実行計画がちゃんと見えているか、その進捗はどうか、問題がある場合はどうするか…。
「これを繰り返すうちにカンが出てくる。これがビジネスのカンなんです」(高橋先生)
なるほど、計画を立てて実行し、見直す作業を繰り返すという経験で、事業は磨かれていくんですね! そしてなんと塾生の中には、実際に無計画に山に登って遭難しかけたことがある人も(無事でよかったですね)。何事も事前の準備と綿密な計画が大切だということが受講生のみなさんにも伝わったようです。
事業を数字で見るとは…? 損益計算書づくりにトライ!
お次は脇坂先生にバトンタッチ! 事業計画に欠かせない「損益計算書」について学びます。
ここでは脇坂先生が実際に使っている損益計算書を使って解説。まずは「この人の給料はいくらにする?」と人件費から考えていきます。スタッフ別に給与を設定し、保険の金額などを計算して1年間にかかる人件費が分かったところで…そうした経費をどんな事業で確保するか考えていきます。
人件費や印刷費などの経費と、売上計画の金額を年間計画に落とし込んでいくと、利益が計算されて出てくるこのエクセルの表。
事業ごとの担当スタッフの労働時間もすぐに反映されるので、どのスタッフがいくら粗利を稼いだか、仕事が的確に振られているかもすぐチェックできるようになっています。なるほど、すべてが一目瞭然! 損益計算書の実例を見られる機会はとても貴重なこともあり、魔法のエクセルに塾生も興味津々です。
「その事業の利益率が分かれば、費用対効果の改善策も考えられる」と脇坂先生が言うとおり、こうして数字を見ながら作業計画を立てていくと、どの時期にどんな業務があるか見えてきます。すると1年のうちの忙しい時期や資金繰りが厳しい時期がわかり、その対策も具体的に立てられるというわけです。
「来年は頑張ろう」や「もう少し早く出荷したいね」という漠然とした目標ではなく、「何日早く出荷するか」とすべて数字、データで「可視化する」。なるほど、事業を数字として見るということは、こういうことなんですね。
さらに脇坂さんは、経営者は「どれだけ人件費を使っているか」に敏感であるようにと繰り返し説きます。経営者など人件費が高い人がやっていると利益率が下がるけど、それをより人件費の安い人に回すと、利益率をあげられるのです。
また、利益が出ているかを数字で見ると「事業」として成り立っているのか? それとも自分の「趣味」の範囲内なのかも見えてきます。経営者としてはその線引きをシビアにすることが必要。でも逆に「2年間やったら黒字化する」などの数字が見えていれば、「事業」に入れられるんですね!
「日々のちょっとしたことをどうやってデータにしていくかです。これをやるかやらないかで、みなさんの10年後が変わってきます」と脇坂先生は言います。教室はざわざわ。善は急げと、すぐに始めようという気になっている塾生も出てきたようです。
グループ別のカリキュラム。事業の問題点を洗い出す!
さて、この後は3つの教室にわかれ、グループ別の講義です。今回から始まったグループ別講義は1期生とはまったく違う形ですね。いったいどんな内容なのでしょうか? ちょっと教室をのぞいてみましょう!
脇坂先生の担当するグループは2つで、その名も「取捨選択グループ」と「断捨離グループ」。経営者コースとしては初級編の位置付けで、脇坂先生曰く「いちばん伸びしろがあるグループ」。
「経理の処理は…」「この部分は両親に任せきりで…」「この点は誰かに聞きたいんだけど…」など、具体的に自社の現状を発表して、ディスカッションしていきます。脇坂先生からはその都度、具体的なアドバイスが。すごく贅沢な個人面談じゃないですか!?
高橋先生の教室には5人。BtoCと、消費者に直接届けるビジネスモデルを前提としている塾生を対象にしています。とても小規模ですが何を学んでいるのでしょう? ちょっと塾生のお手元を拝見。
このシートは「事業モデルシート」。いわば履歴書のようなもので、現在の販売ルートや、自社で行っている差別化などが細かく記入され、既に先生の添削済みだそう。「販売の際はお客さんとつい話し込んでしまって…」という相談まで、高橋先生が1つずつ解決の相談に乗られていました。
箱崎先生のグループは既に「BtoB」のビジネスモデルを前提にしているだけあって、専門的! FOODEX出展の際にも必要な商談会シートの記入を始めています。お客さんの欲しがる情報を効率的に盛り込める便利な商談会シート、活用しない手はありませんね!
どんどん細分化しているグループ別授業の内容は、次回から密着してお届けする予定です!