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輝く農女新聞内で特集された情報を紹介しています。

自主自立した農業経営者になるために…まずは現状を知ろう!

2017.07.24

■答えが提供されることはほぼ無いと思ってください!


「女性農業次世代リーダー育成塾」第4期生35名による自己紹介(【前編】 【後編】)を終え、いよいよ講義がスタート。箱崎浩大講師は、講義の概要と心構えを語り始めました。


「これから10回かけてやることをひとことで言えば、“みなさん自身と向き合うこと”です。この35名はすごい仲間になると思う。でも、“あの人すごいな”と思っても、向き合うのは自分自身です。」


育成塾は経営者の知識やマナーを提供できる場であると同時に、自分がどういう農業をしているのか、それで利益を出していけるのか、しっかり向き合う場。生産した農産品を購入するお客様はどういう方か、自分たちはどういう形でお金儲けをしているのかを、人と比べずにしっかり向き合うことになります。


「答えが提供されることはほぼないと思ってください。」
それぞれ環境や状況が違うため、共通の答えはありません。「自主自立した事業経営者=自主自立した農業経営者」として活動できることを目指す育成塾。「答え」は、塾生のみなさんが探し当てるモノなのだと説いてゆきます。


「ここで学んだことを”自分ごと”にして、自分の事業に生かしてください。」
せっかく学んでも、”自分ごと”にして実践しないと意味がありません。そのために、「振り返り」には、講義を受けて何を実践したかを入力します。ここで大事なのは、どこに困ったか、どこでつまづいたか、正直に本音で書くこと。そうした部分も共有し、全員で協力しながら成長していくのも、この育成塾の狙いなのです。



■その取引先との仕事はホントに大切ですか?


続いては、高橋澄子講師の講義です。初回のトピックは「事業モデルの検討」。経営者たるもの、自分たちの事業はどういうかたちで何をしているのか、しっかり把握しておかなければなりません。


自分の事業を把握し、業務の改善にも役立てられるのが「事業モデルシート」。


着目ポイントは以下の3点。


①どんなお客様に
②どんな商品・サービスを提供し
③どんな対価をいただいているのか

この3点を踏まえ、その商品は売れるのか? 勝てるのか? さらには儲かるのかを、お客様別に洗い出してチェックしていきます。


シートの項目には、その取引先が自分の事業にとってどれだけ大切かを測るため「売上比率」「利益率」に加え、「時間(労力)」の項目もあります。これは、自分の人件費を考えてもらうためのモノ。高く売れる野菜でも、洗浄や包装に手間がかかりすぎると、人件費がかかりすぎていることになります。また、農業は自由裁量ゆえに、つい働きすぎになる傾向があることを、高橋先生は指摘します。


「一昔前は“倒れるまで働くのがかっこいい”という価値観がありましたが、その時代には合っていたとしても、今の価値観ではそれではまず儲かりません。」 働きすぎて体を壊しては元も子もありません。収穫や発送が遅れたり、商品の品質を落としてお客さんに迷惑をかけることも考えられます。また、心身ともに疲れ切ってしまっては実力を発揮できません。品質維持のためにも、適切に休める事業モデルにしていくことが大切なのですね!


「収穫がピークになった時、『朝5時から働かないと間に合わない…!』となるのはしょうがないけれど、どこかで客観的に『いま私、作業に追われて考えられていないかも…』と、冷静に状況を見られる視点を持っておいてください」と、農業者ならではのシチュエーションを想起させながら、そのとき心がけるべき気の配り方を伝えてゆきます。どんな状況にあっても、冷静に情報を集め分析し変化を捉えることが、収益に繋がるのです。


「状況は常に変化しています。自分たちに関係のありそうな情報は集めて、いろんな変化に敏感になってください。たとえば、直売所、買ってくれるバイヤーさんなど、いろんなところに目を配って、どんな変化がどのように自分の事業に影響があるか考えるのが、経営者です。」
高橋先生の経験上、どこの会社に行っても、いちばん考え、いちばん物事を知っているのはやはり「社長」なのだとか。初回から経営者の心構えがビシビシ伝わる講義で、次回も楽しみです!



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