女性農業コミュニティーリーダー塾 実践編
東京会場 第5回講義レポート
会議の目的に合わせてテーブルの並べ方も事前に!
2018.11.13
「今日はアクションプラン作成の山になります」。11月12日、13日、東京で行われた第5回研修・講義。金子和夫先生のこんな言葉から始まりました。1日目は戦略、アクションプランについて演習を重ね、2日目に発表します。
まずは宿題の振り返りをグループでワーク。作ったアクションプランについて、グループ内で共有します。
その前に、金子先生が受講生から提出を受けた「研修ノート」について総括がありました。記載の薄かった部分、優先順位の確認が必要な部分などを、細かく指摘。これがあれば、グループ内でも具体的に踏み込んで話せますね。
宿題には、会議等の「運営書」の作成もありました。たとえば会場の机の並べ方にしても、会議スタイルに合ったレイアウトがあります。意見を集めるなら机を小さくまとめたワークショップ形式がいいし、委員会ならロの字に机を並べて公平に。1人が進行する教室スタイルなら、会場の設営もまた違いますよね。目的がはっきりしていれば、具体的な行動もおのずと決まってきます。
模造紙を使って「戦略とアクションプランづくり」
「アクションプランをしっかり作るのが、今年度のセミナーの重要なテーマになります」(金子先生)
学んだことを地域コミュニティに持ち帰っても、アクションプランが作れなければ実際の行動に繋がりません。今回の研修では、ビジョンを実現するための課題を洗い出し、数値目標を決め、アイデアを整理する方法を、4枚の模造紙を使うワークで学びます。
・課題を出し合い、何が重要か、優先順位をつけて取り組む
・初期で掲げてきたビジョンを整理。
・アクションプランの「KPI(※注1)」をしっかり作っておく
※注1 KPI(Key Performance Indicators)=「重要業績評価指数」とは、ビジョンが実現したとき、達成しておきたい数値目標のこと。
具体的に決めることを意識して、1枚目の模造紙を使ったワークに取り掛かりましょう! 今回も、金子先生が実際に手がけた事例を使って具体的に解説! どういう戦略があり、どの段階で数値目標を決めたのか? 仕組みの問題は? プロジェクトのゴールは? 毎回のことながら、具体例があると分かりやすさが違いますね!
まず1枚目は「ビジョンを実現するために解決すべき課題の整理」です。
まずは、提案者が自分のビジョンをプレゼンします。発表が終わったら、提案者はファシリテーターとして進行をつとめます。※ファシリテーターがしっかり進行しないと、意見はまとまりません。
プレゼンを聞いた参加者は、黄色いカードに「ビジョンを実現するために解決すべき課題」を記入。たとえば「高齢化による生産力の低下」「消費者の○○離れ」「輸入品の増加」といった懸念材料などを具体的に書き込みます。
ファシリテーターは、その課題カードを1枚ずつ読み上げ、想定した分野別に貼ります。この意見は「市場の問題」なのか? それとも「生産者の問題」なのか? 分野の想定は、ファシリテーターの大事な仕事。すべてのカードを読み終えたら、ピンクのカードに分野の名称を明記します。
そのあとは全員で、重要度が高いと思う課題に赤いシールを貼って投票。赤いシールが多いものが、重要度の高いものということですね。
ここまで来たら、次の2枚目に行きましょう!
2枚目は、これまで出た意見の整頓。「ビジョンのコンセプト、課題、KPIの整理」です。
1枚目の模造紙から、重要度の高い順に黄色い課題カードを移動します。表現を変えたほうが伝わりそうな場合は、この時に書き換えます。
次に、コンセプト案を出し合って決めます。議論の途中で迷ったときは、このコンセプトに立ち戻れば、迷子になりません。
ここまで進んだら、いよいよ「KPI(数値目標)」を決めます。それぞれの分野について、「○年で認知度を○%上げる」、「新商品を○年間で○品目開発・販売」「海外輸出比率を○%まで上げる」など、数値目標を緑色のカードに記入します。
これで、ビジョンのコンセプト、課題(分野と個別)、KPIの整理ができました!
3、4枚目で「アイデア出し」と「整理」
3枚目は「戦略とアクションプランのアイデア出し」。KPIを実現するためのアイデアを出し、さらに投票で重要度を評価します。
4枚目は「戦略とアクションプランの整理」。先程と同様に、重要度の高いものから移動して意見を整理します。
4枚目まで終わったグループ、1枚目の課題の整理で苦戦したグループなど、テーマや経験によって1日目の進捗はそれぞれ。参加した塾生のみなさんに、今日の感想を聞いてみました!
「1人で考えているだけでは気づけなかったことや、自分の知らなかったことも教えてもらえて、すごく勉強になりました!」(ファシリテーター担当者)
「発表者のビジョンがはっきりしていたので、意見交換や提案がしやすかったです」(参加者)
「自分のもやもやしていたビジョンが、初めてはっきり形になりました」(ファシリテーター担当)
「メンバーの意見を聞くのも勉強になりました。ここに来ると、皆さんの意識の高さにいつも刺激をもらいます」
(参加者)
紙にして見える形にすると、地域コミュニティで出てくるさまざまな意見を整理できるだけでなく、自分のビジョンの整理にも繋がるのかもしれません。ぜひ地域に持ち帰って、実際に取り組んでみてください!