女性農業コミュニティーリーダー塾 実践編
大阪会場 第7回講義レポート
初期メンバーの「お局化」を防ぐには?
2019.2.25
東京・大阪合同合宿を終えて、第7回目の大阪会場研修は、2月25日、26日に行われました。次回の最終回は、東京に会場を移して、全塾生によるアクションプランの発表となるので研修は今回が最後。いよいよ総まとめです。
じつは、研修スタート時と比べて、塾生たちのコミュニティづくりのテーマは変化したという金子先生。それは、前回の視察でお話を伺った特定非営利活動法人「えがおつなげて」代表・曽根原さんの名言にも通じるものがあるのだとか。
「『これからは、テーマコミュニティの時代だ』と曽根原さんがおっしゃっていましたね。農家の女性たちが、男性社会や行政と正面からまちづくりに関わろうとすると、残念ながらまだ壁は厚い。なので、地元の“地縁”にこだわらず、“テーマ”でまとめていくほうがより現実的と言えるでしょう」(金子先生)
「みなさんが宿題で提出した取り組みテーマを見ても、農福連携や女性の活躍、消費者との交流などテーマ性の高いものが増えてきています。大阪会場メンバーは「農作物のブランディング」、東京会場では「農業の六次産業化」に関心が集まっているようす。
このような地域性の違いが、今後どのように花開いていくのか、とても興味深いです!
■2年目は、メンバーを再編成しよう
さて、一度つくったコミュニティを成長させていく上で、重要なのが最終ステップの「活動の評価」や「アクションプランと組織体制の見直し」です。
特に、メンバーの入れ替えについては慎重に行うべきだと金子先生。
「アクションプランを一巡させる1年目は、共通認識を持てるようにメンバーを固定した方がよいでしょう。入れ替えるとしたら2年目のタイミング。逆に、2年3年とメンバーを自動継続してしまうことは、デメリットにつながります」
え、なぜでしょう? その心とは!?
「初期のメンバーが『お局様』と化してしまうからです!」
その瞬間、ふふふ……と苦笑いがこぼれる会場。みなさん、ご経験がおありのようで。
「メンバーを入れ替えないでいると、最初からいた人が偉くなってしまい、2年目以降の参加者が『入れていただきありがとうございます』とへりくだることになってしまいます。メンバー内で上下関係がついてしまうと、自由な意見交換ができません」
対策としては、毎年「新規更新」という考えで、あらためて参加希望書を出してもらうと良いそうです。
募集告知も、シャレを効かせて楽しいものにしたいですね。
■ウォルト・ディズニーの「3つの視点」を回していく
最終回では、塾生のみなさんにはコミュニティづくりの決意表明として、アクションプランの発表をしていただきます。この日の後半から翌日26日は、発表の準備となります。まずは、岡先生から役立つ考え方とリハーサルの時間がありました。
ウォルト・ディズニーといえば、世界中の人たちに愛されるキャラクターを生み出し、ビジネスとしても成功していった巨匠ですよね。岡先生曰く、ディズニーがアイデアを実行に移す際には、いつも3つの視点を用いていたそうです。
1 夢想家
「こんなことができたらいいな」と、視覚的なイメージで夢を思い描く
2 現実主義者
現実的にこれができるのか? 顧客にとってどんな意味があるのか? と戦略を立てる
3 批評家
本当にこの方法がベストなのか? ほかにやり方はないのか? と分析しチェックする
この3点をらせん階段のようにグルグル回していくことで、ビジョンを現実にしていくことができるそうです。
巨匠の成功からヒントをもらったところで、塾生たちもプレゼンのリハーサルです。
4~5人のグループに分かれて
各人が話す内容を準備(5分間)
↓
1人目が発表(5分間)
↓
グループでのフィードバック(10分間)
↓
2人目が発表(5分間)
↓
グループでのフィードバック(10分間)
という形で進めていきます。
昨年7月の研修初日からは、想像できないほど練り上げられたビジョンやアクションプラン。メンバーのみなさんは、まるで自分のことのように熱心に耳を傾けています。メンバーは、「よかった点」を水色のポストイットに、「改善したほうがよい点」をピンクの付箋に書いて、発表者に渡します。
「すっかり形になってきたね!」 「応援してる!」
そんな声援と一緒に集まってくる言葉は、思いがけずみなさんの宝物となったようです。
「この付箋は、辛いときに見返したらきっと元気出ると思う。お守りにします!」
「日本のどこかでみんながんばっていると思うと、私もがんばれます」
いよいよ、次回は最終回。みなさんが思い描く未来を見させていただきます!