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女性農業コミュニティーリーダー塾 実践編
東京会場 第4回講義レポート
ビジョンを実現するアクションプランの作り方

2020.2

年明け最初の講義が1月8日、9日行われました。第4回実践研修のテーマは「ビジョンを実現するアクションプランをつくる」。 第3回までに整理した「課題」と「ビジョン」から、実際にどんな行動を起こすかに落とし込む作業です。 これまで出された意見どう具体化するのか? KPIとは何か?  金子先生の講義で学びながら、長時間に渡る3STEPのワークショップで「アクションプラン」をどう具体化するかを実践しました。



■ステップ1(1枚目の模造紙)「アクションプランのアイデア出し」

今回は3つのグループにわかれ、それぞれ「マルシェ」(提案者:五十里さん)「道の駅の管理運営(指定管理者をめざす)」(提案者:金丸さん) 「新事業の立ち上げ」(提案者:三瓶さん)のテーマでワークショップを行います。

まずはステップ1のワークショップの解説。ファシリテーターは提案者が担当し、テーマ・ビジョンについて丁寧に解説し、意見を集めていきます。

記録係は模造紙①に「私たちのビジョン」「提案者名」「参加者名」を書き、掲示します。そして「分野」欄に、得票数の多かった分野を、青いカードに書いて貼っていきます。

参加者は、ビジョンを実現するための「アクションプランのアイデア」を緑のカードに書いて、読み上げながら関連分野の欄に貼ります。 ここで大切なのは「具体的にする」ということ。たとえば「自然の魅力を発見」というだけでは、具体的ではありません。 「キャンプ系ユーチューバーを呼ぶ」「焚き火愛好家を招待する」など、具体的な行動に結びつくプランを書くことがポイント。 そのように具体的にしつつ、整理集約します。

ここまでできたら、参加者による投票を行います。 ビジョン、コンセプトを実現するために重要だと思われる「アクションプラン」に、それぞれが5枚ずつ持つ赤いシールを貼ります。シール投票によって、課題や優先順位が可視化されます。


■ステップ2「戦略とアクションプランの整理」


これまでの意見をさらに具体的にする試みです。記録係は模造紙②に「ビジョン」を書き、「戦略」「アクションプラン」「KPI」の欄を作って掲示。 模造紙①の「分野」で重要度の高かったものから「◯◯戦略」と名前を付けて青いカードに書き、模造紙②の「戦略」の欄に貼ります。 たとえば「住民意識の変革戦略」など、具体的に明記します。そして、同じく模造紙①の「アクションプランアイデア」も模造紙②に貼り替えます。

ここでは「KPI(目標値)」を決めることが大事です。KPIとは、Key Performance Indicator(重要業績評価指数)のことで、 ビジョンが実現した場合、到達しておきたい「目標値」のこと。これがないと、計画がどこまで進んでいるか、進捗をチェックできません。

たとえば、「通行客を1割伸ばす」「加工品の数を◯品に増やす」「売上目標◯◯円」「コミュニティファンドから◯◯円集める」「交流イベントを◯回開催する」 「地元ライフスタイルの冊子を◯冊作って配布する」といった視点で数値化していきます。数字で分かれば、計画のPDCAのチェックができます。


■発表とアドバイス


それぞれのグループの発表には、現在の進捗に沿って金子先生がアドバイス。

「目標ははっきりしているから、具体的なプランを決める作業ですね」

「誰のために、何を作って、誰に売るかをはっきりさせたほうがいいかもしれないね」

「これは◯億円売れて初めて黒字だから」

「地域貢献なのか収益事業なのか分けて考えるのがポイント」

「若手が『面白そう』と進められる無理しない内容に」

地方自治体との経験豊富な金子先生から、さまざまなアドバイスが与えられます。

講義の終わりには、気になる「予算」のお話。会議室を借りたり、講師を呼んだり、視察に行ったりすれば、お金がかかってきます。 その場合に得られる可能性のある補助金も紹介されました。

ここまでが1日目の講義で進めたこと。2日目の講義ではステップ3「アクションプランの具体的な内容の作成」のワークショップを行います。

ステップ3では、記録係は模造紙③に、重要度の高いアクションプランを3つ選んで上段に書きます。 そして、ひとつのアクションプランごとに参加者と話し合いながら「アクションプランの名称」「何をするのか」 「誰が・誰と」「いつまでに」「どのぐらい」を書き込んでいきます。

たとえば、「街中に◯◯の場を借りる」「市役所の支援を得る」「地元の出版社と冊子を作る」「インスタグラムで発信する」 「1年後に◯人集めてNPOを作る」など、さらに具体的にしていく作業です。

具体的なアクションプランを決め、KPIを定めることは大変な作業。でも「あれもやりたい、これもやりたいでは、アクションプランに移れません」「現実的にできるのことは2つか3つ。 選び取って、小さな成功体験を積み上げていくのが大事です」と金子先生も話す通り、具体的なアクションプランこそが、ビジョン実現につながるのです。