アグリ・ウーマノミクスフォーラムに育成塾の1期生が登壇!
2015.12.16
11月18日から20日の3日間、東京ビッグサイトで農業関連の専門展示会「アグロ・イノベーション2015」が開催されました。たくさんのセミナーやイベントが行われた中から、パネルディスカッション「アグリ・ウーマノミクスフォーラム」に注目!テーマはズバリ「女性を経営の戦力に! ~嫁・娘からビジネスパートナーへ変わる時~」。
女性として、どう農業に参画していくか?
家族でやっている農業経営体が圧倒的な数を占めている日本。その中で…女性はどう農業に参画していくのか…。フォーラムには育成塾1期生の渡辺佳子さん、大吉枝美さん、横田飛鳥さんが登壇。嫁、妻、娘…それぞれの立場から考えを披露することになりました。パネルディスカッションは、まず、育成塾の講師を務めている脇坂先生の軽快な司会で始まりました!
まずは登壇者それぞれの背景をご紹介しましょう。渡辺さんは「嫁」として、福島県の果樹農園をご主人と手を取り合って経営しています。
大吉さんは鹿児島県で、キャベツを22ヘクタール、今年からはさらにレタスも4ヘクタールという大きな規模で生産している農家の「妻」。
横田さんはお父様のやっていたコメ農家を引き継いだ「娘」。経営者としてがんばっています。
***ちなみに、お三方の詳しい紹介記事はこちらでご覧いただけます***
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女性が「経営を学びたい!」と思う時とは?
それぞれ背景の違うこのお三方。受講した理由もさまざまです。
果樹園を営む渡辺さんは、9月から12月は農繁期で商談会にも出られない忙しさ。それ以外は時間はあっても今度は商品がないというもどかしさを抱えていました。家族の賛同を得るのは大変だったそうですが、「モノがない時期にどうやって自分の商品をアピールできるか」を育成塾で学びたいという熱意は通じたようです。
「審査に通ったら行っていいと言われたので、徹夜で応募書類を書きました(笑)」という大吉さんのキャベツは、市場出荷が100%。「市場価格に左右される不安定さがネックだった」とのことで「農作物の差別化を図り、付加価値を付ける」ことを目標に受講を決めたそう。
知識も何もないまま経営者となった横田さんは「経営のプロにならなくてはいけない」と受講を決めたそう。しかも、それにあたってはお父様がそっと資料を置いてくれたのだとか。
第一期 育成塾を終えて…スモールビジネスで女性が学ぶことの重要性
女性ならではのハードルもあったようですが、1期の受講を終えてどう変わったのでしょうか?
「両親が任せられると思ってくれてたのか、経営面では口を出さなくなった」という渡辺さん。顧客担当として受注から発送までを一手に引き受けて、農作物を実際に触れる時間はおろか自分の時間がまったくない状態から、今年は現場に出て収穫に携われるまでに業務を効率化できたそう。「ますます楽しくなった」と笑顔です。
横田さんは「何で利益を得ているかなど、やっていることの意味が分かった」と塾の成果を話します。その後、お父様からの仕事の振られ方が変わったそう。信頼を得ることができたんですね!
大吉さんは、ご主人に「ついていく」のではなく、「一緒に考える」ことができるようになったのが、塾の成果だと言います。そんな大吉さんはご主人との関係を「アクセルとブレーキ」と表現。時には「どんどんやって」「もっと稼がなきゃ」とお尻を叩き、時には事業計画としては危ない部分を指摘する役割も。
また、なんと大吉さんは、市場相場の価格変動のデータを付けているそう! 農業を始めてから、農産物が腐りやすい時期や高く売れる時期などを記録していて、その高い時期にたくさん出せるよう作付を考え「年間通してプラスにできるように工夫している」のだとか。さすがです!/p>
脇坂先生は「一人だけでなく、二人が経営を見られる力を付けるということはスモールビジネスでは重要」だと言われましたが、みなさん、ご家族の頼もしいパートナーとして成長されているようですね!
登壇者3人の今後のプランとは?
さて、経営者としてのスタートラインに立ったみなさんの今後の計画はというと…?
「どうやって人材を育成するか、新しく雇用するかを考えていきたい」(渡辺さん) 「今の調子で頑張っていきたい。自分の作りたい物もあるのでそれをやるのと、シーズン通して安定した経営をできるパートナーとして、今の調子で頑張っていきたい」(大吉さん) 「先代を越えたい。それ以上に、自分の代で終わらせない。娘にもこのバトンを大きくして渡して、死ぬまでずっとやっていきたい」(横田さん)
終了後は熱心に質問される方もおられ、脇坂先生の軽妙な進行で盛況のうちに終了。
もちろん聴講者の中には2期生も! 「元から『経営者』だったみたい…。本当に最初は迷ったりしていたの!?」という意見が聞かれるほど、1期生は堂々たるお話ぶりでした!