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リモート型クラス オンライン卒業式/最終講義レポ

2021.3


リーダーとして活力あるコミュニティを組織し、改善できる人材を育てるための「女性農業コミュニティリーダー塾」。3月24日、リモート型クラスの最終回研修が実施されました。

卒業となるこの日は、半年間の集大成となる2つの発表が行われました。一つは、これから取り組む「ビジョンとアクションプラン」のプレゼンテーション。 もう一つは、自分は今後どんなリーダーを目指していくのかという「実行宣言」です。

人を動かしていくリーダーには「運営技術」と「人格」の両輪が必要との考えから、これまでの授業は展開されてきました。 最終回では、その両方について「現時点での自分なりの答え」を発表する場。画面越しにも、いつもとは違うピリッとした緊張感が伝わってきます。

前回お届けした集合型クラスの最終講義レポートと併せてお読みください。


漢字一文字(×2)で記憶に残るプレゼンを



実行宣言は、これから自分らしいリーダーシップをどうとっていくのかを「意識面」「行動面」についてそれぞれ漢字一文字で発表するというもの。 長い文章ではなく、漢字一文字に想いを凝縮させることで、自分の意識にも相手の記憶にも残ります。

発表時間は1人4分間。発表中はチャットを通してお互いが反応を投稿し合う形式で参加感/一体感が演出されました。そして、いよいよ始まった「実行宣言」。 みなさん「自分のキャラクターに合った」それぞれのリーダー像を語りました。


夢あるビジョンを携えて、関わる人みんなを笑顔に
(山原裕美さん)



個人事業主が多いコミュニティに所属していたこともあり、現実的な話題が多かったという山原さん。 金子先生に「もっと夢を語ったら?」と提案されたり、周囲の助けもあって夢のあるビジョンを描けるようになったそう。自分らしいリーダーシップも見つかりました。
「今後は、関わるすべての人が笑顔でいられるように、共に行動して、感動していきたいです」


「鳳来寺山ラブ」を全力で言い続けて、輪を広げていきたい
(井出村仁美さん)



一緒に活動する仲間がいないと悩んでいた井出村さん。リモート型クラスに参加することで、「田舎にいっても都会の研修が受けられ、出会ったことのない仲間や師とも出会うことができました。 夢が無限大に広がった感じです」とのこと。「心を込めて丁寧に人の意見を聞けるリーダーになりたい。 そして、鳳来寺山への愛を全力で説き続けて、いずれは地域の人や行政とも動いていきたいです」と決意を熱く語りました。


剛速球を投げるピッチャーから、受け止め型のキャッチャーへ
(庄司さな絵さん)



過去の経験から、庄司さんのリーダー像は「自分の正しい姿を見せて、その後ろについてきてもらう」ものだったそう。 ところが思うようにいかず、「リーダー塾で学ぶうちに、まずはみんなの想いを受け止めることが大事だと気づきました。 剛速球を投げるピッチャーから、キャッチャーに転向したつもりで日常生活でも努力をしてきた」と語ります。 リーダーシップを表す漢字にも「受ける力を養い、自分の殻を破る」と、決意があふれていました!


情熱の伝道師として、アイデアを自ら形に!
(下島幸恵さん)



シャープな思考力を持ちながら、「地域では否定されるのを恐れて本音が言えなかった」という下島さん。 これまではアイデアはあっても実行は他人頼み。しかし、研修を経て「環境を変えるには自分が動くしかない!」と考えが変わったそうです。 「誰もあぶれることのない平和を意識しながら、『あの子が地域を変えてくれた』と言われるように、思い切り目立っていこうと思います。みんなに情熱を伝えたい!」


農業を通じて喜びを拡げていく「愛の人」でありたい
(松尾順子さん)



夫の歯科医院を手伝いながら、就農して間もない松尾さんでしたが、受講期間中に農園の広がりを感じていったそうです。 「できないことは周囲に頼んで手伝ってもらうし、逆に自分から手伝えることは実行してきた結果かもしれません。大きな運営をまとめるには、和が大事です。 また周りの人から『愛の人だね』と言っていただいたこともあり、農業を通じて愛情を感じてもらえるリーダーになりたいと思います」


時には「あえて周囲に流されてみる」ゆとりのあるリーダーへ
(芹川恵利さん)



広大な畑でワイン用のブドウを一人で栽培する芹川さんは、「負けず嫌いだし、自分中心」と自らを分析。 それが研修を受けるうちに、「いい意味で周りに流されてみるのもありかな」と周囲の人に協力してもらえる心のゆとりが生まれました。 自分らしいリーダーシップとしても「優しい気持ちで包み込まれるように、よい方向に流されていきたい」と語る姿に、今後どう変化されるのか楽しみです。


ヒューマンスキルを育みつつ、家族愛や地元愛を表現
(内堀里江子さん)



人生の目標を模索し、「嫁いだ土地を故郷だと思い貢献する」と覚悟を決めたことでリーダー塾の受講に至った内堀さん。 今後もヒューマンスキルを学びつつ、抱えているコミュニティの中で自分をどう表現して、人を動かしていくかを考えていきたいと抱負を語りました。 「意識面では、コミュニティのために動いてくれる人や家族の心を大切にしていきたいです。そして、みなさんに対して愛ある行動をしていきたいというのが理想ですね」。


縁の下の力持ちとなる「参謀」として貢献したい
(田所優花さん)



北海道の地にて、移住者として貢献できることを考えてきた田所さん。 「リーダーシップを学ぶにはまだ早いかなと思っていましたが、全国のがんばっている農家さんに出会い、その課題や想いを知ることができたのは何より大きな収穫でした」と語ります。 田所さんの武器の一つは、現実を客観視する能力。 今後は、「一人ひとりと向き合う誠実さを大切にしながら、グループの中で「参謀」として積極的に関わっていきたい」と決意表明しました。


自己肯定感が増した今、信じる仲間の声にも耳を傾けたい
(川村法子さん)



オンライン上でもその変化がわかるほどに、心身ともに輝きが増していった川村さん。 しかしそれまでは「自分には短所しかないと思い込む、マイナス思考だった」と言います。塾では長所を発掘し合う演習などを通じて、自分の特色を肯定的に受け入れられるようになったとのこと。 「コミュニティで一緒にがんばってくれる人や周囲の人を信用し、みんなの話を正しく理解していくことが目標です」という川村さんにも、塾生からの力強い応援メッセージが寄せられました。


ビジネスモデルづくりに邁進しつつ、人に委ねられるリーダーに
(橋本梢さん)



仲間がほしくて、数々のサークルを立ち上げてきた橋本さん。なかなか満足のいく結果が出せなかったときに参加したのがリーダー塾でした。 「自分には実績がなかったけど、みんなが応援をしてくれて、多くの気づきがありました。今後は『農業者の魅力発信』や『ビジネスモデルとなるような事業推進』にも力を入れていきたいです」と語ります。 傾聴を意識して共に仲間と歩み、人を信じて委ねることができるリーダー像が、橋本さんの目標です。


「いつか絶対会いに行きます!」オンラインで生まれた絆


塾生みなさんの熱い実行宣言を受けて、講師陣からも激励とアドバイスがありました。



ふだんは自らプロジェクトを推進し、周囲を巻き込む立場にある林聖子先生からは、「日ごろから大切にしていること」が語られました。 「プロジェクトを成功させるには、ゴールに向けてどんな人が必要かの『ざく見』が大事。自分にできないことをしてくれる人を置き、役割をきちんと伝える。 それぞれの役割を紙に落として『見える化』することも大事です。またその人たちには、いつも感謝を伝えましょう」



仕事や子育てなどを両立させる大変さを知る、ヒューマンスキル担当の高橋和美先生からは「定期的に行いたい心のメンテナンス」について。「私は1カ月に1回やっていることがあります。 それは『今、私は自分を愛しているかな』『自分に率直かな』と問いかけること。 リーダーをしていると自分の心のささくれが、周りに伝播してしまうことがあります。周りと上手くいかないときは、そのように自分を見つめ直してみるとよいですよ」



街づくりのアイデアの宝庫でありながら、全国を飛び回っている金子和夫先生は、「恐れずに、想いを発信していってほしい」と語ります。 「一人ひとりが想いをしっかり持っていれば、やがて仲間が見つかり、想いが実現します。農村はなかなか女性の発言する機会がないので、『私だけ?』と不安にならずに声に出していくことが大切です。 研修で実践したワークショップとPDCAは、長年かけて構築された成功の雛型。手順を踏んでいけば必ず成功するので、ぜひ活用していってください」



最後は事務局のスタッフも顔を出して、記念写真をパチリ!

コロナ禍での感染防止対策として始まった、リモート型クラス。オンラインで出会い、研修中は直接会うことが叶わなかった塾生のみなさんですが、最後は涙ぐむ場面も見られ「いつか絶対会いに行きます!」「これからも繋がっていてください!」と強い絆が各所で生まれていました。

みなさん大変お疲れさまでした。研修での学びや、講師や塾生のみなさんとの出会いを末永く糧にしていってください。今後のご活躍を楽しみにしています!