「一隅会」は、日本能率協会が1970年7月から、社団法人日本能率協会元会長、故森川覚三の発願に基づき、下の趣意に賛同せらるる財界人、産業人、学界人、宗門の方々の協力により設立されました。本会は経営者・役員クラスの皆様を対象に、「世界で通用する経営者」の素養として必要と思われる①歴史観(事象・人物・教訓の把握)②世界観(海外で通用する経営者に必要な『日本文化・芸術、東洋・西洋哲学思想・文化・宗教等』への理解)③人間観(経営思想、信念、人間理解力・教育力など)の涵養をはかるため、500回以上開催しています。
一隅会 主な登壇者
(※所属・役職は登壇時のものです。敬称略)
「一隅を照らす、是則国宝なり」と伝教大師は教えられております。
わが国は、近代国家の道を歩み始めてより百余年、その間ひたすら欧米先進諸国に“追いつき、追い越す”べく努力を続けてまいりました。そして、今日では外国の識者から「21世紀は日本の世紀」とまで言われるようになりました。
しかし、その反面失ったものも大きいのではないでしょうか。
欧米の物質文明はキリストの精神にささえられておりますが、わが国の物質文明はその根拠となるべき“日本の心”が失われかけているように思われます。
心を失った物質文明は、欲望の走狗となり、節度を失い自己の進むべき方向も見失い、人間を破滅に導きかねません。
一方、今日のわが国は、周知のように資源・エネルギー・環境・技術・防衛・貿易等の諸問題に関して、諸外国より「世界の中の日本」のあり方を問い返されております。
そこでわたくし達は「国際社会における日本のあり方」を念頭に置きつつ“日本の心”、 “東洋の精神”を探究し、人間形成のため、さらには経営哲学確立の一助となることを願って「一隅会」を創設いたしました。
この会は、わたくし達が尊敬する高僧、学者またはその道の達人を囲み、お話を聞き、懇談の場を設けております。
何卒主旨をお汲みとり下さいまして、多数のご参会のほどお願い申しあげます。
(創設:1970年7月)