常に学ぶ場を求めて~JMA会員交流フォーラムに参加して~ Part.1
株式会社QES 総務・人事労務部 採用・教育・労務担当 高亀一嘉様
日本能率協会の山根秀樹がインタビューします。(以下敬称略、お役職はインタビュー当時)
交流フォーラムへの参加のきっかけとは?
株式会社QES 総務・人事労務部
採用・教育・労務担当 高亀 一嘉様
山根
それでは株式会社QES高亀さんにいろいろインタビューしていきたいと思います。
会員交流フォーラムでは大変お世話になっており、ありがとうございます。
皆様に会員の活動を認知していただき、より役立てていただくためのインタビューと思っておりますのでよろしくお願いいたします。
まず初めに、現在のお立場や役割について簡単にお聞かせ下さい。
高亀
私は総務・人事労務部に所属しています。
専門職という立場で仕事をしています。
私の担当は、階層別研修を主体とした教育研修ならびに労務担当として総務の仕事や新卒・中途の採用関係にも携わっています。
日々の労働時間の管理や最近よく話題になる派遣社員の方の雇用関係についても契約上の問題の有無についてのチェックを法務担当の部署と連携して行っております。
山根
次に、私共の法人会員になっていただいておりますが能率協会の法人会員になっていたことはご存知でしたか。
高亀
はい。
山根
ありがとうございます。
法人会員で様々な会員サービスをしておりますが、サービスに関しては会員交流フォーラムを中心にご参加いただいていますが、どんなきっかけで交流フォーラム参加されたのでしょうか。
高亀
私はこの会社に入って十数年になります。
入社した直後に、こちらの階層別研修でリーダーシップ開発コースに参加しました。
その時の講師が井口哲夫さんという方でした。
井口さんとは、その研修の後に、井口さん自身が研修のコンサルタントとして開いていた勉強会に誘っていただき、参加するという機会がありました。
その時に、能率協会に異業種交流会というものがあり、大企業から中堅、中小の企業までのさまざまな会社の総務や人事の方々と意見交換や情報交換ができるということを聞いたのです。
初めて参加したのは、もう10年近く前ですが、さまざまな会社の社員の方が参加されていました。中には社長様や役員の方が参加されている会社もありました。そういった事もあり、予想以上にたくさんの情報を聞く事ができました。
会社の大小に関わらず、総務や人事とかの業務に関わらず経営全般について、いろいろな意見やお話を聞くことができるので、可能な限り参加するようにしています。
経営者として「自ら学ぶ」ことの意味とは?
右:株式会社QES 総務・人事労務部
採用・教育・労務担当 高亀 一嘉様
左:一般社団法人日本能率協会
経営・人材センター 山根秀樹
山根
総務、人事の立場から経営全般の話を聞くと、お気付きになられることはありますか。
高亀
今回はT社の社長様や毎年参加されているK社 社長様のお話を聞くこともできました。
私はセミナーや社内の研修を企画したり、企画した研修に社員を送り出す立場ですが、それとはまた違った、社長の立場で「社員をどう学ばせるか」「経験を積ませるか」というお話を聞くことができるところは、当初の目的とは若干違うものの、非常に参考になる部分もあると思いました。
山根
人事だけのお立場で考えているよりも、経営者になるともっと違う視点で考えているのかというところですよね。
例えば、どのあたりが1番そう思いますか。
高亀
今年の異業種の合宿でもそう思ったのですが、経営者の立場の方は常に自ら勉強されていると感じています。
当たり前かもしれませんが、まずはご自身が常に学ぶ姿勢でいると感じられます。
山根
その辺はどの経営者にとっても必要なのでしょうか。
高亀
私なんかが経営者の方について言及できる立場ではないとは思っております。
山根
経営者だけに限らず、それぞれのリーダーとなる方もまずは「自ら学ぶ」というのは重要なのでしょうかね。
高亀
そう思っております。
会社の規模が大きい場合には20~30歳代という若い世代の方も参加されているようです。
きっとご自身の会社ではまだ主任や係長クラスの方なのだと思いますが、若い方の話を聞けるのも定年間近の人間からすると、すごく新鮮に感じることができます。
大きな会社というのはそれなりに厳しいですよね。
大会社では、優秀な方がたくさん集まっていることでしょうし、その中で切磋琢磨しないと会社の中で生きていけないのだろうということが、若い方の話を聞いていて感じるところがあります。
そして、自社の若い子達はどうなのだろうというところを考えさせられます。
山根
結構、そういうところも自社と他の会社を比べる機会になるのでしょうか。
高亀
機会にもなります。
同じIT業界の会社さんも参加されていますが、本当に大きなN社のようなエンジニアさんが何千人といるような会社さんがいらっしゃれば、中堅、中小の地場産業的な会社さんもいらっしゃるわけですよね。
それぞれ立場は違うとは思いますが、ソフトウェアの会社は大きいところは本当に大きいものの、小さいところになると社長と社員数人というような会社もありますよね。
業界団体のホームページを見てみると、情報サービス産業の年間の売上高は、トヨタ自動車さん1社よりもまだまだ少し規模が小さいようです。
弊社の場合、親会社がありその子会社でありますが、親会社とのビジネスがベースにあり、最近はいろいろなお客様ともお付き合いをさせていただくようになりました。しかし、大きな会社さんだといろいろな業界を相手にされていると思います。そういった大企業さんが、どのような仕事の進め方をしているのかとか、何千人といるエンジニアさんのレベルをどう維持していらっしゃるのだろうかなどです。
山根
IT業界では、新たな技術が次々と出てきます。その中で技術者のレベルをいかに維持するかですよね。
高亀
昔ほどじゃないにしても、残業が多い、あるいはサービス残業が多いなどというイメージが大きく、あまり印象が良くなかった時代もあったものの、今はだいぶ改善はされてきていると思いますし、教育にはたいへん力を入れています。
山根
今では、SCSKさんのように残業をとにかくなくす方向にもっていこうという取り組みをされている大きな会社さんもあるわけですよね。
製造の現場を知ることのメリットとは?
山根
結構IT関連の会社の方もご参加されていらっしゃいますね。
そういった意味ではお互い交流もしていただいているということですね。
会員交流フォーラムを中心に、会員のサービスをご利用いただいたうえで、ご感想やご意見などを聞かせていただければありがたいのです。
具体的に、過去10年近くという長い間、ご利用いただいていますが、フォーラムで参加されて1番印象に残っていることはありますか。
高亀
フォーラムに特化してということですね。
山根
印象に残っていることなどは、何かおありでしょうか。
昨年は大分の方に合宿に行き、アジア太平洋立命館大学にお邪魔したり、それから新日鉄住金さんにお邪魔したのですが、その辺ではいかがでしたでしょうか。
高亀
普段、なかなか行く機会のないようなところに行かせていただき、非常にありがたかったです。
トヨタさんのレクサスの九州工場にも行きました。また、福岡大学 合力先生のポジティブ心理学は大変興味のあるお話でした。
山根
一昨年ですね。
高亀
あとはダイキンさんの研修施設も素晴らしかったですね。
山根
結構行っておりますね。
業界はITですが、そういった製造の現場や研修施設を見ることはどうですか。
高亀
あまりないですね。
山根
やはり、ものづくりはこういう風にされているのだというのが分って、参考になりますか。
また、今年は北海道の方に行き、1日目は六花亭の六花の森、2日目がよつ葉乳業さん、それから柳月さんにお邪魔しましたよね。
そちらはいかがでしたか。どの辺が印象に残られていますか。
高亀
あと、ばんえい十勝もですよね。
山根
佐々木様ですね。
高亀
今年については、やはり様々な業界の社長様のお話を聞くことができました。柳月さんの徹底した経営理念の実践に関するお話やばんえい競馬の理事長さんの街おこしのお話が印象的でした。
柳月さんのお話では、トップダウンの教育です。田村社長様は、採用にも深く関わり、自ら先頭きって社員教育されていますよね。
やはりその辺はオーナー社長さんの力の入れ方が違うのかなと思いました。
山根
御社もお力を入れておられるのではないでしょうか。
皆さん、オーナー企業でなくても結構力入れていらっしゃいますか。
高亀
そうですね。
中堅、中小だと社員の数ではもう到底大手には敵いません。
また、限られた資本、人材をいかに効率よく、上手く回すか。
やはり、親会社があって子会社という立場ではありますが、親会社からの仕事だけでは企業として食べていけない時代です。N社にしても、全国の拠点であった会社を1社に統合されたというようなお話を交流会ではお聞きすることができました。