今年も開催決定! みらいのたね賞
過去受賞企業の声VOICE
「みらいのたね賞」は、建築家が選ぶ、優れた建築を生み出すことに貢献しうる、優れた製品、未来への布石となる製品に送られる賞です。
毎年ゲスト選考員を迎え、テーマに基づき製品を選考します。出展者だけが選考対象となる限定の賞です。
「みらいのたね賞2020」の受賞作品のひとつ、リボス自然健康塗料の輸入・販売を行っている株式会社イケダコーポレーション 山本悠加さんに、受賞後のお気持ちや製品についてうかがいました。

株式会社イケダコーポレーション エコロジー事業部
東京営業所 係長
山本悠加様
「これから」を考えた
持続可能な建材
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まずはじめに、受賞おめでとうございます!
山本ありがとうございます!
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受賞されてみて、いかがですか? 率直な感想をおうかがいできればと。
山本今回いただいた賞が「みらいのたね」ということで、この先の未来を考えた建材として選ばれたっていうことがすごく嬉しいなと思っていまして。
「これから」を考えた製品をどうやって改良してくかというのは弊社の課題として力を入れているところで、その部分を評価いただいいてというのが、やっぱり嬉しいですね。 -
御社はかなり長い間、自然素材というものを取り扱ってらっしゃいますね。受賞作品の「リボス自然健康塗料」は、もう40年以上に渡って研究・開発されている製品ということですし、持続可能ということは意識されているんですか?
山本はい、それはあります!
ドイツ生まれのリボス社は、ただ塗料をつくるというだけでなく、「自然のなかで、自然とともに、自然のために仕事がしたい」という想いがあります。
主成分の亜麻仁油はオーガニック農法で、亜麻の花の栽培からリボス社が行っています。製造工程でできたカスも牧畜のエサやバイオマス発電に利用しているんです。地域をエコビジネスで豊かにする“エコ・リージョン”という取組みもリボス社が主導で行っています。 -
素晴らしいですね〜。ここ最近はそういったお話もよく聴くようにはなりましたが、40年前となると先駆けというか。かなり早くに取り組まれている印象ですね。
山本そうですね〜。製造から廃棄まで環境に負荷がかからない、地域が豊かになるものづくりというのがリボス社の理念にあります。
自身の体験から
生み出された、
人と環境のための
ものづくり
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大変だけれども、環境への取組みを長く続けてきた製品、という印象があります。
山本ですね。実はリボス社の創業メンバーの1人がシックハウス症候群だったんです。
自身がその辛さを体感して...という背景があります。 -
そんなエピソードが...!
山本ドイツって塗装文化で、住宅のあちこちが塗装で仕上げられているんですね。そんな中でどうやったらシックハウス症候群になってしまうことを防げるのかということを、元々持っていた(シックハウス症候群を防ぐための)ノウハウを塗料に活かすというところからスタートしたのがリボス社です。
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ご自身の悩みを解決するだけでなく、他の人にも活かすためにスタートしたんですね!!
山本そうです!
リボスという言葉には古代ケルト語で「明るさと光」っていう意味があって、「シックハウス症候群で悩んでいる人たちのための光になりたい」という意味を込めてリボスという社名になったんです。そのため自然素材であっても、アレルギーなど人体に害となる素材は使わない、という強い想いのもと製品づくりをしています -
わー!めっちゃ素敵なお話!この内容だけで数時間語れそうですね!
山本はい、そんなストーリーがあるんです。弊社の社員もこのリボス社の理念が好きで、多分みんな1時間とか話せると思います。笑
知れば知るほど、
自分達も使いたくなる
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御社のみなさん、とても楽しそうにされていますよね。先程ブースをお訪ねしたときに皆様が接客をしているご様子を拝見していたんですが、製品の説明も楽しそうになさっていて。製品がお好きなんだなぁと。
山本製品、みんな大好きですね。ほぼ全員、自宅に製品を使っています。
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えぇ〜!すごい!そうなんですね!
山本自宅を新築したメンバーは自社製品を取り入れていて、すでに家を持っていたメンバーは自分たちでリノベーションする際に製品を使用したりとか。
私も叔母の家の壁紙を剥がして漆喰を塗ったりとか、巾木に塗料を塗ったり、デッキを塗ったりとかしてるので。笑 -
自分たちが使いたくなるっていうのは、すごくいいですね。
山本100%成分を公開しているので安心して使えるのはもちろん、やっぱり使っていて嫌じゃないというか、知れば知るほど好きになるっていう感覚で社員も全員使っているんだと思います。

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製品を扱っていくなかでの苦労や気遣っている点ってありますか?
山本苦労しているところでいうと、顔料もすべて土や鉱物、葉っぱなどといった自然のものを使ってるため、塗料の発色が均一にならないときがあるんです。
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あぁ〜、そっかぁ〜。
山本(同じ品番の塗料でもロットで)ちょっと発色が変わってしまったり、自然素材ならではの色の変化というのが出てきたりするので、「この色がいい!」という方のご希望どおりに色が出ない場面もあって…。それをどうお伝えしていくかっていうのが課題でもありますね。
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ちなみに...コロナ禍の影響は出ていますか?
山本あまり(マイナスの)大きな影響は出ていないかもしれません。
でも逆に、住まい手さんが在宅勤務に切り替わったことで「お家の中をなんとか快適にしたい!」というような感じで、お問合せは増えたように思います。
無垢材にしたい...とか、漆喰にしたいとか。そういったご要望は増えた印象がありますね。
建築業界の
良い変化の基となる
「みらいのたね」
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今回みらいのたね賞2020を受賞されて、社内・外から何かお声ってありましたか?
山本(選考委員と共に受賞企業のブースをめぐる)みらいのたね賞ツアーで来てくださった方は結構興味を持ってくださって、お問合せもすでにいただいて... 嬉しかったです...!
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素晴らしい〜!すでに次に繋いでいただいて、「みらいのたね」になったわけですね!
山本そうですね!笑
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今回の受賞を、次のアクションに繋げたり、といったことは何か考えていらっしゃいますか?
山本数日前に(受賞を)知ったときは社内がどよめきました。笑
そうですね〜。自然塗料って業界ではまだ一握りで、ご存知の方もまだまだ少ないので、より一般の方にその良さを知ってもらえるように、メディアなどにもう少し出していきたいな、という思いはあります。 -
今回は御社の取扱い製品が受賞されたわけなんですが、今後この「みらいのたね賞」にエントリーされたいと思っている方へコメントがあれば、お聞かせください!
山本今回賞をいただいて、弊社やリボス社の製品にいてご存知なかった方に知っていただく機会になって嬉しく思いました。
「みらいのたね」というテーマはこれからの人とか環境とか建築業界の良い変化の基となるもの、という風なコンセプトだったかと思うので、そういう製品づくりができればよいのかな、と思います。