Japan Home Show & Building Show 2025
会期
2025.11.1911.2110:00-17:00
会場

東京ビッグサイト 西展示棟ACCESS

EXHIBIT 出展のご案内

出展者インタビュー 株式会社日本アクア

株式会社日本アクア

株式会社日本アクア執行役員 防水事業部
安川 俊邦 様

高気密・高断熱の現場発泡ウレタンフォームで業界トップシェアを誇る株式会社日本アクア様。Japan Home & Building Show( JHBS)2023では、主力商品である建築断熱用硬質ウレタンフォーム「アクアフォーム」で出展いただきました。同社の執行役員・安川俊邦様に出展を決めた理由とその効果について伺いました。

パートナー企業が施主様を連れて吹き付け実演を見に来られる場

1日5回、吹き付けの実演を実施 どういう施工を行うか見てもらう

当社のアクアフォームは、ポリオールとイソシアネートという原料を霧状に吹き付け発泡し、構造物に断熱材を接着させる商材です。板状の断熱材と違って隙間や継ぎ目のない施工が可能なため、気密性を確保、断熱性能を最大限引き出すことができます。

当日のブースでは、その吹き付け実演を行いました。実演を行う社員が1人、司会進行を行う社員が1人マイクで説明をしながら、周囲には常時5〜10人の営業担当者を配置して、お客様の質問にお答えしていきました。

1回10分程度の実演を1日5回、午前中に2回・午後に3回と実施。来場者の方からは好評をいただき、毎回かなりの盛況でした。

出展イメージ
当日のブースの様子。「Z空調」と「アクアフォーム」で半分ずつ展示を行なった。

工務店やビルダーが施主に自社の商品を見せる貴重な機会

当社では横浜に研究所を構えており、ゼネコンさんやビルダーさん、工務店さんなどのお客様であれば研究所にて技術や材料、施工の様子を見ていただくことができます。ところが、実際の利用者である施主様に見ていただく機会は、なかなか持てません。

当社のビジネスモデルはBtoBですが、実際に商品を使っていただくのは施主様ですから、BtoBtoCの視点を大事にしていきたいという思いもあります。JHBSのような展示会は、エンドユーザーである施主様に当社施品を見ていただく絶好のチャンスです。

工務店さんやビルダーさんに実演会をやることを事前にお伝えしておけば、当日、施主様をお連れして「今回の工事では、この断熱材をこのようにいます」とご説明いただけます。場合によっては、まだ契約していないお客様をお連れいただいて、「この断熱材はいかがですか」と営業してくださるケースもあるくらいです。

実のところ、ここ4〜5年、展示会でのアクアフォーム吹き付け実演は行っていませんでした。でも、久しぶりにやってみると、お客様の反響がものすごく大きいことを実感しましたね。みなさん、アクアフォームに興味を持たれていることが分かりましたし、「これいいね」「うちもやってみたい」というお声をたくさんいただきました。

展示会以後、社内では「やはり我が社は実演をやらないと何も始まらない」と冗談まじりに言い合っているくらいです(笑)。

お客様だけでなくパートナーの施工業者さんとも出会える

当社は断熱材のメーカーですが、化学メーカーであり、施工まで担っている会社です。施工まで担うのは業界では珍しいと思います。

アクアフォームは、自己接着能力があるのでどんな場所にでも取り付けられるのが特徴です。厚さの自由自在に変えられますし、屋根裏に吹き付けて、夏場に太陽の熱で家全体が暑くなるのを防いだり、床下に吹き付けて冬の足元の寒さを防ぐなど、用途は様々。新築はもちろん、リフォームでも活用されています。

一方で、独特の工法で一定の技術を必要としますし、ムラなく吹き付けないと気密性と断熱性を維持できません。現場の温度や湿度によってもやり方が変わってきます。そのため、品質管理をとても重視しており、施工後、担当者が抜き打ちで現場に行うなど品質を確認するようにしています。

自社で施工まで行うようにしたのは品質管理と同時に、建設業界の問題に対応するためでもありました。

現在、建設業界では人手不足や職人の高齢化が深刻な問題になっています。通常、断熱材というと、グラスウールやロックウールのように、工場で作られた規格製品をはめ込むことがほとんど。その場合、現場で切ったり貼ったりしなければなりません。ところが現場の大工さんはもう、他のことで手一杯なのです。そこで、当社で吹き付けを行うことで現場のお役立ちになれれば、という思いもありました。

また、環境省の産業廃棄物広域認定精度を取得。施工で発生する端材を回収し、リサイクルするなどの工夫も行っています。

アクアフォームは材料費と施工費を一緒にした「材工」でサービス展開をしているため、常に施工を行なっていただく認定施工業社を求めています。

JHBSはこうした施工業者さんと出会える貴重な場でもあります。他の展示会と違って、大手ゼネコンさんや設計事務所さんはもちろん、工務店さん、ビルダーさん、施工業者さん、エンドユーザーの施主様まで、本当に多岐に亘ったいろいろな来場者がいらっしゃいます。自社の商品を見ていただくだけでなく、パートナーになる施工業者さんと出会えるのも大きな魅力ですね。

アクアフォームの思わぬ使い方をお客様からご提案いただくことも

今、住宅業界は一つの転換点を迎えつつあると思います。国の方針としても、スクラップアンドビルドの時代から、建物を長持ちさせる長寿命化に転換しつつあります。そのため、近年では新築と同じくらい、改修の際に引き合いをいただくことが増えています。

アクアフォームはそこで大いに役立つ商材ですし、また当社には「アクアハジクン」という吹き付け型防水システムもあります。環境に優しく、最強の樹脂と言われるポリウレアを使った商品で、バルコニーやビルの屋上、駐車場などで使用されています。トンネルやダムの亀裂を埋めるのに使われたり、アメリカでは防弾チョッキに使われるような素材です。

強度と防水性能を両立した製品で、以前、あるテレビ番組でも紹介していただいたのですが、アクアハジクンを吹き付けた卵は高いところから落としても割れずに、ピンポン球のように跳ねるのです。

今回の展示会では、あるお客様からこのアクアハジクンとアクアフォームを組み合わせた意外な使い方をご提案いただきました。

「発泡スチロールのように固まったアクアフォームをハサミやカッターナイフで切ったり削ったり加工して、そのあとアクアハジクンでコーティングすると、アミューズメント施設の岩など舞台道具として使えるのではないか」。

たしかにそういった使い方も可能です。じつは以前、映画のセットなどで同様の使い方をされているという話も伺っておりまして、ブース内で例としてご紹介させていただいたりしました。

こういうアイデアのディスカッションも展示会の魅力の一つです。

出展イメージ
反対側のブースではヒノキヤグループの「Z空調」の展示が行われた。

展示会の醍醐味は何と言っても、新規のお客様につながること

私たちは日々、様々な会社様に営業をさせていただいていますが、どうしても1人あたり1日に5〜6件が限度です。ところが、JHBS規模の大きな展示会に出展すると、逆にお客様に来ていただけるんです。多いときには1日20社から30社の方に提案できます。それだけでも費用対効果は非常に高いと思います。

今回の展示会でも、一社につき30分から1時間程度、合計50社の方としっかりお話をさせていただきました。名刺交換だけで言えば70社くらい。新規のお客様としてつながったケースもたくさんあります。

また、実演会の司会進行役を新入社員に任せるなど、トレーニングの一環としても活用できます。いきなり任せるのは無理ですから、ベテランの社員がやっているのを数回見せた後、夕方の部で担当してもらったり、お客様と話す時に参加してもらうなど、新人の勉強の場にもなっています。

でも、何よりうれしいのは、やはり新規のお客様とつながることができた時ですね。「今、グラスウール買っているんだけど、どう違うの」と聞かれ、ご説明したあと「そっか。今度、見積もりちょうだい」と言われたりします。その後、各エリアの営業担当者にフォローを入れてもらい、それが受注につながっていく。

こうしたスピード感も、展示会でしか味わえない醍醐味ですね。

製品イメージ
特殊な原材料を構造物に吹き付け、断熱性と機密性を確保する「アクアフォーム」。
インタビュー風景
当日はノベルティとして、カタログとアクアフォームのサンプルをお配りました。