家具用コンセント

家具用コンセント

石黒製作所

ウイルス禍のなかで一気に普及したテレワークのみならず、生活のさまざまな局面でモバイル IT 機器が使用されるようになった。その際の基本的な空間環境として、給電をはじめとした有線接続端子も、あらゆる場所に求められるものとなってきている。ところがいわゆる「家具用コンセント」製品はまだまだ色、形バリエーションも少なく、ディテールが追求されるインテリアに対応しきれていない。そのような状況下でドイツ BACHMANN グループとの協力製品も含め、この洗練されたデザインのラインナップは有難い。生活空間における「設備」の存在感を 肯定的に変革していくための部品として、高く評価 したい。(山本想太郎)

BOIS-Art

BOIS-Artボイスアート「縫える木 シェード、ロールカーテン、壁紙」

谷口(石川県木材産業振興協会ブース内)

近年、印刷技術における表現力の進化には目を見張るものがあり、金属であれ、石材であれ、木材であれ、間近で見ても本物と区別のできないような印刷によるフェイク製品・建材が世の中に溢れてしまっている。
そんな中、金沢の伝統的工芸メーカー谷口は、あくまで本物の木にこだわり、紙よりも薄くスライスした木を裏打ちして、木を布のように柔らかく加工したシート状の製品を「縫える木」と名付けて開発した。折れる・縫えるという木では考えられないその特性を生かしたバッグやロールスクリーン等の製品が持つ香りや質感は、まさに「木」であり、新たな可能性を秘めた技術・製品としてその試みを高く評価したい。(宮崎浩)

エフネン耐火集成材・CLT

エフネン耐火集成材・CLT

中東(石川県木材産業振興協会ブース内)

大規模木造建築は、いま建築界でも注目の分野であり、そのためのさまざまな技術や試みが発表されているが、なかでも木質材料のみの主構造で耐火建築物をつくるということは、大きなハードルとして各所で研究されてきた。集成木材の構造部材(柱・梁・床)を、耐火性をもたせた集成材(燃え止まり層)で被覆することによって2時間耐火までの性能を実現したこの製品は、その達成のひとつであるといえるだろう。構造部材部分は地域産材・地域加工も可能と明示している点も、技術の一般化という観点において一歩先んじている。大規模建築において木造が「一般解」になっていくプロセスのマイルストーンとなる技術として注目したい。(山本想太郎)

グランドグリッド(tm)

グランドグリッド(tm)

グリーンフィールド

いわゆる砂利保護材マットは、細かく仕切られたセルに砂利を流し込むことで、沈みや移動が少なく安定した砂利敷地盤をつくるための資材であり、特に駐車場や法面など、砂利の安定性が課題となるような場所で効果を発揮する。一般に外構工事においては、コスト、施工性、耐久性などの点でバランスの良い製品が求められるが、この製品は軽さやコンパクトさ、また地面に馴染む柔軟性に優れていることで、施工の容易さと仕上がりの美しさに期待ができる。特に基材となる特殊不織布の品質感は、強度・耐久性だけでなく、たとえ一部が露出して見えてしまったとしても気にならないであろうという安心感がある。やや荒っぽいものが多い外構資材のなかで、この繊細な質感は心地よい。(山本想太郎)

漆 内装材

漆 内装材

天龍木材(静岡県木材協同組合連合会ブース内)

天龍木材は静岡天竜川流域で100年以上の由緒ある木材問屋であったが、現在では海外を含めて多面的な事業を展開をしている。その中で本製品は日本古来の塗料である漆に着目し、木製品の魅力的な表情を生かした、堅牢で実に美しい製品を送り出すことに成功した。わが国固有の伝統的素材を使ってこのように画期的な発想を昇華させた本製品はみらいのたね賞の受賞に誠にふさわしい(松永安光)

おうちまるごと制震シェルター

なかやしき

この製品は一般の戸建て住宅の筋交いに取りつけるだけで耐震・制振性能を画期的に高めることが出来る制震金物でこれは高減衰ゴムを採用したハイブリッド構造で地震エネルギーの吸収を一極集中から分散型とし、建物の隅々まで制震効果を発揮させることが出来る。本製品のアイデアは西日本工業大学デザイン学部長・古田教授の開発によるもので、その制震力のシミュレーション解析ソフトは公開されている。筋交い部をゴムで包み込むというアイデアはきわめて独創的な発想で、みらいのたね賞受賞にふさわしい。(松永安光)

家具設置型ワイヤレス給電ユニット

家具設置型ワイヤレス給電ユニット

ビー・アンド・プラス

現在では従来のコンセントに電源を接続しなくてもワイヤレスで様々なものを点滅することが出来るようなシステムが急速に発展しており、その世界の広がりは無限であるように思われる。そのような中でワイヤレス給電とワイヤレス充電を専業としているB&P社は様々な製品を意欲的に開発しており今後のさらなる成長が期待される。思いもかけないような照明器具や玩具など魅力的な製品は多くの人々に驚きを与えるであろう。このように画期的な発想はまさにみらいのたね賞の受賞にふさわしい。(松永安光)

444+H

よし与工房

ヨーロッパの伝統的な鍛鉄工芸であるロートアイアンを日本に導入した老舗メーカー。鉄は、錆対策として塗装仕上げせざるをえないため、素材そのものの姿を表現することが難しい材料である。熱して軟化させた鉄を手作業で成型するロートアイアンは、その作業の痕跡が表面のテクスチャーとして残されることで、「鉄」であることが表現される。それは見た目だけでなく、手で触れた際により強く感覚される。表層性、仮想性の高い現代建築の空間において、このようにモノそのものに感応できる要素は、単なる部品を超えて、建築と人との距離を近づける存在となりうるだろう。また基本的にオーダー製作でありながら価格も含めイメージが伝わりやすいカタログや、ホームページなどでの情報発信も評価したい。(山本想太郎)

NIGHT BOOK

NIGHT BOOK

ワイ・エス・エム(JCD 日本商環境デザイン協会ブース内)

照明器具の光源が、電球や蛍光灯からLEDに切り替わったことで、「光のデザイン」手法も大きく変化している。調光システムはもちろんのこと、色温度も自由に調整でき、また、光源が小さくなったことで、今までなかったような照明器具が数多く開発されているが、本質的な光の美しさを表現できているものはそう多くはない。ワイ・エム・エスの照明器具は、紙や金属、アクリル等と組み合わせた、デザインの完成度が高いプロダクトである。中でも、「NIGHT BOOK」と名付けられた菊判サイズの書籍と同じサイズの照明器具は、本棚から引き出すことで灯りがともるポエティックな懐かしい光の暖かさを感じる上質な製品である。(宮崎浩)

「ゲスト選考委員賞」 受賞作品

HaymesPaint/ヘイムスペイント

HaymesPaint/ヘイムスペイント

スタジオアナグラム(みらいのたねブース内)

最近の建設現場では、工事の種別や規模に関わらず、廃材をきちんと分別・回収して廃棄するというルールが一般化されてきているが、設計者が素材の分別までイメージして設計することは残念ながらまだ少ない。まして、塗装材料の回収や再利用までを考えることは全くないといってよいであろう。ヘイムスペイントは、1400色を越す色と、左官のような表面のテクスチュアを組合せることができる自然由来の低VOC環境配慮型水性塗料であり、塗料としての質の高さと共に、無調色塗料を受注後に調色を行って販売するという「受発注調色販売」や余剰塗料の回収再利用といったオーストラリア本国の仕組みを日本でも継承している点を高く評価したい。(宮崎浩)